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ADHDの話(1)勉強はできるけど忘れ物が多かった

ADHD というのはこの数年でとみに知られてきた感じがあるけれど、私も例に漏れずと言うか、30才を手前にしてADHD を自覚するようになった。

子どもの頃の注意欠陥、多動

いま思えば子どものころから思い当たる症状はあって、私は勉強はできる方だったのだけど、どうしても忘れ物が多かった。教科書とか、洗濯した給食の割烹着とか、持ってきて、といわれたものをよく忘れてしまう。クラスで忘れ物が多いのはやんちゃな男の子タイプが多かったから、先生も、成績がよくて大人しい私に対しては、忘れ物が多いことについてどう叱ったらよいかわからないような感じだった。

ちなみに、これは書きながら思い出したけど、理科の実験で使った水銀の体温計も、顕微鏡のプレパラートも割ったことがある。普通の人はどちらも、一度も割ることもないよな…。これがやんちゃな男の子だったら、あーあやっちゃったよー、で済むのだけど、そういうタイプではないのでいたたまれない。

全校朝会とかで体育座りでじっと話を聴いていることができなくて、体がむずむずしてしまう。むずむずっ、というのが突然来て、動かずにはいられない。それはむしろ頭の中でというより、体の内側から突然発生するので、制御しようもない。みんなはそういうことがないのか、どうしているのかずっと不思議だった。

中学生の時、模試の数学の問題で、最後の方の難しい文章題とかは解けるのに、最初の簡単な計算問題で単純なミスが多く、母にどうしてなのかと言われた覚えがある。

クラスの女の子の輪にうまく入れないのは小学生の頃からだった。

でも、そういう諸々のことは、学校の成績はよく、大人しい子供だったので、特に問題になることもなかった。

片付けられない

片付けられないのも、今思えば昔からあったのだけど、実家にいるときはそこまで深刻な事態にはならなかった。でも大学に入って一人暮らしをすると、私は片付けとか、家事を日々こなすというのが本当にできなかった。洗濯物もたまるし、洗濯をしてもたたむことができない。使った食器もたまっていくし、郵便物もどんどん積み重なっていく。メールの返信もろくにできなかった。たまに思い立って片付けをはじめると、その時は徹夜をしてしまうくらい熱中してきれいになるのだけど(ADHD の過集中が発揮されてたのだなと思う)、しばらくするとまた散らかってしまう。

転職を繰り返してしまった

これもADHDの特性と言えるのかもしれないけれど、私は大学を卒業してから数年で二回、転職を経験してしまった。

大学を卒業して、新卒で大きい会社に就職したのだけど、この会社の事務の仕事というのが、それはもう私には全然できなかった。ざっくり言うと、割り当てられた書類を一件ずつ、社内のシステムに照らし判断して端末に入力、みたいな仕事だったのだけど、(自分にとっては)ブラックボックスな社内ルールは全然覚えられなかったし、一日中端末の前に座っているのも苦痛だったし、つまらないミスもなくならなかった。同じ仕事をしている一般職の方も多い中で、学歴だけは高いのに、総合職なのに、と思われているような気がして、できないことが情けないし、本当にこの仕事は自分には向いてないのだな、と思った。

大学までは、勉強ができることでなんとかやってきて、まあ第一希望の会社でなくたって、どこに就職してもなんとかそれなりにやっていけるのではないかな、と思い上がっていた私だけど、全然そうではなかった、と思い知らされた。22、23歳にしてそこまで自分のことがわかっていなかったなんて、情けないと思うけれど、その時は本当に自分のできること、できないことも全然わかっていなかった。

まあそういうことがあって、次は少しでも自分の興味に近い仕事をしようと思い、条件はだいぶ落ちるけれどとりあえずは興味のある分野の会社に転職した。修行と思いそこで勉強をさせてもらって、しばらく経って同じ分野の会社に2回目の転職をした。

2回の転職はそれぞれの時点では現状よりもベターな選択をしたつもりだし、納得もしているけれど、でも、新卒から何年も同じ会社につとめている人は本当にすごいな、と思うし、たくさん転職をしてしまったな、というのは、忍耐がない、気が変わりやすい人だというのを、自ら証明してしまっている。転職なんて、少ない方がいいに決まっている。そのことを考え出すと、自分はどうしてこうなのか、どうして世間の人がちゃんとやっていることができないのか…と思ってしまう。(続きます)